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今月の豆、エチオピアは花の香り。

2025.10.10

香りのプロフィール

ジャスミンとベルガモット 店内に湯気が立ちのぼるたび、ふわりと花束のような香りが広がります。今月の主役はエチオピア。カップを近づけると、ジャスミンやベルガモット、白桃のニュアンスが軽やかに立ち上がり、ひと口目から「香りを味わう」体験がはじまります。 ロットは小規模生産者のチェリーを集めたウォッシュト精製。標高約1900m以上の高地で育った豆は、クリーンで余韻が長く、冷めるにつれて紅茶のような品のよさが顔を出します。酸は柑橘系の明るさを帯びつつも尖りがなく、蜂蜜のようなやさしい甘みが全体をまとめます。

低温でゆっくり

抽出はやや低温、ゆっくりが合言葉。ハンドドリップなら粉15gに対しお湯230ml、湯温は90〜92℃を目安に。30〜40秒ほどガス抜きしたら、3回に分けて中心から静かに注ぎ、トータル2分30秒〜3分で着地。透明感が増し、花の香りがより繊細に立ち上がります。ミルクを合わせるなら、濃いめに落としてマキアート程度が好相性。けれど、まずはブラックで余韻までお楽しみください。

ペアリングとご自宅での愉しみ

ペアリングはレモン系の焼き菓子や、やさしい甘さのバスクチーズケーキがおすすめ。柑橘の酸とチーズのコクが、エチオピアの芳香を一層引き立てます。時間とともに香りが変化するので、急がず、会話と一緒に少しずつ。 豆の販売もご用意しています。ご自宅では挽き目は中細挽きから。もし抽出で苦味が先行したら湯温を1〜2℃下げる、酸が強すぎたら粉量を1g増やすのが簡単な調整のコツです。 花の香りを纏った一杯で、日常に小さな晴れ間を。今月だけの出会いを、ぜひ。なくなり次第終了となります。